はじめましての人もお久しぶりの人も皆様こんにちは
薬局薬剤師のゆずまるです
前編ではパルスオキシメーターの原理や販売方法を中心に紹介しました
今回はパルスオキシメーターの選び方について解説します
一言にパルスオキシメーターがほしいといってもたくさんの種類があります
どの商品が良いのか、全部を把握するのはなかなか難しいですよね
今回は選び方のポイントについて説明しますので是非参考にしていただけたらと思います
本記事からからの閲覧でも分かるように記載していますが、前記事と合わせての内容閲覧を是非お願いいたします
そもそもパルスオキシメーターってなに?原理はどんなの?と思う方は前記事のこちらをご覧ください

パルスオキシメーターの調べ方を調べた経緯

パルスオキシメーターの注文が入ったけど、どの商品を選んだら良いのだろうか
コロナ禍で注文が圧倒的に増えたパルスオキシメーター
どうもニュース特番でやったらしい
私のいる薬局では常に在庫しているものでもなく、販売告知もしていません
いつもなら1ヶ月、いや1年に1回売れるかどうか位の出庫量です
販売するにもどの商品を選んだらいいのでしょう
きっと同じような考えの人は多くいるはず。
まずはネットで調べてみるゆずまる

まずはネットで見てみよう
種類も多いし値段って結構ピンキリだなぁ
価格帯は幅広い。低価格帯の製品も多く、1万以下で買えるものも結構多い
良さそうな商品を適当に3つくらいピックアップ
その商品を元に卸へ確認することにした

次は卸に確認してみよう
え?在庫はほとんど入らない?
ネットで調べた製品はどれも欠品で撃沈した

それなら何とか入りそうな製品ありますか?
えっ?ほとんど入らない?
卸に確認すると1万円以下の低価格帯の商品の取り扱いは少ないとのこと。
そしてそれ以上の価格帯の製品も欠品しており、入荷の目処は立っていないとのこと
なんだそれならネットで買ったほうがいいじゃーん♪
でもまてよ、何か裏があるのではないだろうか
ネットの価格帯はどうしてそんなに安いの?
安いものは製品として大丈夫な機器なのか?
ということで、調べてみることにしました。
本記事では信頼のおける商品を選ぶためにはどこを確認したらいいのかについて解説したいと思います。
パルスオキシメーターとは
パルスオキシメーターとは、採血せず皮膚を通して動脈血中の酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測定できる医療機器のことです
酸素飽和度(SpO2)とは、心臓から全身にめぐる血液に含まれる酸素の飽和度を皮膚を通して測定した値を指します
健康な状態ならば96〜99%近くが標準値と言われいます
体を動かすと酸素は消費されるため、数値は下がります。また、肺炎などの呼吸器系に疾患がある方も酸素の補給が十分に行えないため、酸素量が変動しやすい状況だと言えるでしょう
パルスオキシメーターは、スポーツ選手などの運動面での評価に用いられたり、肺炎など呼吸器状態を判断するためのツールとして用いられます
今現在、新型コロナウイルスは肺炎を起こしやすいと言われているため、コロナウイルスにおける肺炎の重症化の判断するために用いられることがあります。
そのためコロナ状況下で注目を浴びるアイテムの一つとなっております
測定値のもつ意味については必ず医療従事者に確認をとり、最終的な判断は医師に必ず確認するようにしましょう
パルスオキシメーターについての原理や販売方法、購入方法や販売方法についてはこちらをご覧ください
パルスオキシメーターの選び方
パルスオキシメーターと一言にいえどどの機種を選んだらいいのかわからないですよね
どうせ買うならいいものを購入したい
きっと誰もが思うことでしょう
種類もたくさんあるし何を選んだらいいのか判断に迷ってしまいますよね。
今現在はコロナの影響もあり人気が集中してしまっているためなかなか購入しづらい状況です
もしどうしても購入したいのであればネットでの購入をおすすめいたします。
選び方のポイントをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
選ぶ基準その1 信頼における機器なのか?
まず一つ目の見るべきポイントです。
パルスオキシメーターを選ぶにあたって「この製品は本当に信頼における製品」であるのかどうか
ここの部分は購入する上で一番重要なポイントになると思います
- 実際に測定してみて変な数値がでる。
- すぐに壊れてしまった
- 測定のたびに数値が違う
そんな粗悪品は買いたくないですよね
安心安全の商品を購入したいと思うのは人間の当然の心理だと思います。
製品の信頼性を判断するポイントの一つとしての「医療機器であること」や「JIS規格やISO規格に準拠しているか」を見ましょう!
ポイント1 医療機器であるかどうか
パルスオキシメーターは医療用の電気機器です。
診断や治療など医療の場面で使う機器を一般的に医療機器と呼びます
「医療機器」とは、人若しくは動物の疫病の診断、治療若しくは予防に使用されること又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされる機械器具等(再生医療等製品を除く。)であって、 政令で定めるもの
(医薬品医療機器法 第二条・第四項)
薬機法(医薬品医療機器等法)という法律でパルスオキシメーターは管理医療機器にという医療機器に分類されます
管理医療機器には基本的に認証・承認番号がついています
医療機器の承認と認証について
簡易的に書きます
医療機器として販売するために承認審査を受ける必要があります
製品個別ごとに「医薬品医療機器総合機構」を経て厚生労働省大臣が承認を行います
原則ひとうひとつ行いますのでとても手間と時間がかかります
医療機器認可の審査の迅速化を行う為、一部の管理医療機器は、厚生労働大臣の指定を受けた「登録認証機関」が認証を行うことになりました。
要約すると…
厚生労働省か行う→承認
登録認証機関が行う→認証
医療機器の認証番号について
厚生労働大臣が基準を定めて指定した高度管理医療機器、管理医療機器又は体外診断用医薬品(「指定高度管理医療機器等」という。)を製造販売する場合には、品目ごとに厚生労働大臣の登録を受けた者(「登録認証機関」)の認証(「第三者認証」)を受ける必要があります。
医薬品医療機器総合機構pmda
管理医療機器は、第三者機関の認証が必要で医療機器認証番号を取得する必要があります
パルスオキシメーターは管理医療機器になるため第三者の登録認証機関による認証が義務付けられています
この認証番号があれば、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の規制がかかっている、安全安心な医療機器であることを確かめる有力な判断材料になります
※参考文献
どこ見るのか例で見てみると
具体例で見てみましょう
私が以前購入したパルスオキシメーターです
パルスフローの箱に記載してあるシールです

青色のラインのところが認証番号です
この記載があることは第三者機関から医療機器として認証されたということです
ネットで購入を検討している場合、商品説明の欄に認証番号の記載があるかをチェックし確認してみましょう
少し長くなりましたが医療機器には医療機器認証番号(一部届出番号、承認番号)がついていますので購入の際にお確かめ下さい。
認証を受けた医療機器についてはPMDAのHP「登録認証品目の公表について」で、ある程度閲覧できます。
心配であればそちらもご確認ください
医療機器でないパルスオキシメーターもある!ウェルネス機器とは
ウェルネス(Wellness)はwell-beingとhappiness、fitnessを組み合わせた造語で、健康な状態を意味します
医療機器のように診断や治療目的ではなく健康な人が健康を保つために使うという発想から生まれた製品になります
普段の健康としてや、スポーツなどトレーニングの一貫としての購入を目的としているため「医療機器」という分類に該当しない製品になります
本来、パルスオキシメーターは管理医療機器として販売していますが、ウェルネス機器は認証・承認審査の過程を省略し市場へ出回っている製品になります
第三者機関による承認・認証過程をとばしているため市場に出回るのが早く、手軽な価格帯でパルスオキシメーターが買えるのがメリットですね
ですが、市場に出回っている製品の中には安全の確証を取れていない状態で販売されているものもあるようですね
もしかしたら「中国製はいやだ」「日本製がいい」ってこだわる人はこの分野の製品と混同しているのかもしれない
そのため製品に対してのこだわりの強い方には、ウェルネス機器は避けたほうが良いかもしれません
ここで注意事項
ウェルネス機器は、一般的な健康維持のみを目的としたものであるため、医療目的で使用したり、判断することが出来ません
個人で購入する分には問題ありませんが、薬局として販売するのは避けたほうが良さそうな分野の製品ですね
お求めやすい価格帯であるため正直魅力的です
ポイント2 ISOの認証規格に準拠しているか
ISO(International Organization for Standardization/国際標準化機構)とは、国際的に通用させる共通の規格や標準類を作る国際機関です。
スイスのジュネーブに本部があるようですね
製品やサービスに関して「世界中で同じ品質、同じレベルのものを提供できるようにしよう」という国際的な基準を設けているためISOの認証があれば世界的に通用する製品だと言えます
例えばクレジットカードのサイズはこのサイズにしましょう
ネジはこういった作りにしまょう
こんな基準を設けている組織です
パルスオキシメーターにもISO認証規格で作られている製品とそうでない製品があるので購入前に確認すると良いでしょう
ポイント3 JIS認証規格に準拠しているか
また、ISOの認証と似たような認証規格のひとつに、JIS規格があります
JIS(Japanese Industrial Standards)は、日本の工業製品に関する規格や測定法などが定められた日本の国家規格です
日本ならでは製品規格ですね
基本的には国際的基準であるISO規格に準拠しているため、ISOとJISによる規格内容の違いはありません。
どちらも一定水準の精度を満たしていないと規格の認証は受けられませんので、この認証があるだけで、信頼性がある製品である一つの目安になると思います
厳しい審査を通っている製品のためこの2つのISO認証規格とJIS認証規格があるのかを確認してみましょう
選ぶ基準その2 測定精度
精度をみる指標のひとつにPI値表示があります
PI値とは、測定状態が良好かを判断する数値のことです。
とりあえず製品はこちら
PI (Perfusion Index) 灌流指標とは
PI(灌流指標:かんりゅうしひょう)は拍動性成分と無拍動性成分の比率を数値化したものです。
PI値は拍動成分/無拍動成分を%表記にして表したものです
表示されている脈波形の大きさに基づいて算出します
PI値がわかると何が分かる?
正しく安定して測定が出来ているかが分かります
PI値が低いと測定時のノイズの影響を受けやすくなります。
ちょっとした動作などでエラーが出たり、安定した測定結果がでるまで時間がかかることもあります
ここの測定精度に関しては製品の性能差が出てくる部分になりますね
製品を選ぶポイントの1つとして、ノイズの影響をうけていないかが分かるPI値表示きのうが付いている製品かを選ぶと良いでしょう
PI値いくつならよい?~基準値について
PI値低が低いときは上手く測定できていない状態です。
あまりよくない状態であるということが分かったと思います。
ではいくつ以上ならいいの?
明確な基準値はありませんが、一般的にPI値は1.0以上あるのが望ましいといわれています。
SpO2を測定するときはPI値の数値も合わせてみることをおすすめします
PI値が下がる理由
パルスオキシメータのPI値表記は指先の血流量の変化と相関しています
PI値は指先を循環する動脈量が少なくなると数値が小さくなります
寒いときや体調が悪い時などに指先が冷えることがありますよね
ヒトの体にとって指先が冷えることは大切な臓器に熱や酸素を優先的に回すための生体の防御反応です。
指先のなどの末端の血流量を減らすことで体中から集めた酸素を大切な臓器へ優先的に運びます
生きるために体の末端から酸素や熱などをかき集めるイメージですね
呼吸器疾患を持っている人では、呼吸による酸素の取り入れが難しくなります
そのため体全体の酸素飽和度が下がりやすくなり、より重要な臓器に酸素を回す防御機構が働くようになります
呼吸器疾患を持っている人の指先が冷えるのはそのためです
以上のことから指先の冷えはPI 値を下げる要因の一つとなりそうです
測るときは指先を温めてから測りましょう
選ぶ基準3 プラスアルファの性能があるか?
測定すること以外にも、あると便利であろうポイントを紹介します。
遮光ガードがついている
正しく計測するためにチェックしたいのが、遮光ガードの有無。
遮光ガードがついていると、測定時の光による妨害が減るため、周囲の光が強い場所でも比較的正確に測ることができます。
スポーツの場面など屋外や周りの光が強い場所で測定する機会が多い人に是非おすすめしたい
基本的に直射日光が当たらない場所での計測をしましょう。
画面の工夫があるか
ディスプレイがキレイだとモチベーションアップしますよね
パルスオキシメーターの画面の部分は顔の部分になるので自分が気に入ったもので選んでみましょう
- 文字が大きくて読みやすい(読み間違いが減る)
- 明るい画面である(夜間や屋外でも画面が読みやすい)
- 画面の反転が可能(子供やお年寄りなど自分以外に使う場合に使いやすい)
こんな工夫があると良いですよね!
インナーアジャスト付きのパルスオキシメーター
子供やお年寄りなど、指の小さな人に使うときはインナーアジャスト付きのパルスオキシメーターがおすすめです
小さな指でもしっかりフィットさせられるように調整させることができます
指の向きや位置など毎回同じように測るのは難しいことですが、インナーアジャスト付であれば、指にしっかりフィットさせることが出来るので、測定のムラが減り正しく測定させることができます
Bluetooth内蔵
日々の健康管理の一環として購入を検討するのであればBluetooth内蔵品がおすすめです
パルスオキシメーターの日々の変化を数値として記録していくのは結構面倒くさい
Bluetooth内蔵品であればとスマホアプリと連動させることができるため、毎日スマートに管理が出来ます
まとめ
注文が増えたパルスオキシメーター
どの製品を選んだらいいのかに迷ったらまず、見てほしいポイントは医療機器として販売しているものかどうか
その上で自分の用途にあった製品を選べて行けたら良いですよね

お客様に紹介する商品なので、しっかりとした商品をオススメしたいですもんね
日本製にこだわるお客様も多いです。
しっかりと測定できる機器を求めていると思われます
商品は沢山あり迷ってしまいますが、基本の部分がブレなければ大丈夫です
皆様の参考になれば幸いです
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