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今の在庫数は多い?在庫回転期間と在庫回転率の考え方【在庫管理】

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在庫
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みなさまこんにちは

薬局薬剤師のゆずまるです

yuzumaru(ゆずまる)。6年制の薬学部を卒業後、市販薬と処方箋薬を学びたくドラッグストア業界へ。ドラッグストア&調剤薬剤師として日々知識をアップデート。3年の下積みを行い管理薬剤師へ。地域に根ざした薬局づくり、地域の人にとってかかせない薬局を目指して日々奮闘中。日用品、市販薬、処方箋薬、経営学など様々な分野で情報を発信していきます。

在庫管理を行うにあたって、感覚で頼ってしまうことはありませんか?

この薬はよく出るのでたくさん在庫していてもいいだろう

と、気がついたらたくさん在庫してしまい大変な思いを知ってしまったこともあるかもしれません

客観的な在庫管理を行う上で在庫回転期間と在庫回転率という考え方があります

この考え方を身につけると客観的に在庫の多い、少ないというのが数値上でかんたんに分かるようになります。

この記事を読むことで次のことがわかるようになります

  • 在庫回転期間がわかる
  • 在庫回転率の考え方がわかる

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在庫管理

商品を卸業者等から購入しその商品を販売するのが小売業です。

卸から購入した商品が売れれば売上になり、売れない商品は在庫になります。

在庫商品は販売など出庫することがない限りはお金になりません

店舗運営の目線でみると在庫をどれだけ早く現金に変えられるかが1つの注力ポイントにもなります。

在庫少なすぎてもダメ

多すぎてもダメ

在庫管理をするにあたって適正在庫がどのくらいなのかを把握することが重要です

在庫回転期間

適正在庫を確認するにあたっての指標の1つとして「在庫回転期間」いう考え方があります

在庫回転期間とは売上に対して在庫をどのくらいの期間持っているかを見ています

仕入れた在庫がすべて無くなる(販売)までにかかる期間のことです

この期間が短いということは仕入れた商品をすぐに販売しているため、在庫の効率が良いということになります

在庫回転期間公式

公式

在庫回転期間

=棚卸資産(在庫金額)÷売上原価

棚卸資産とは保有在庫を金額に換算したものです

年単位でもよいが、月や日数で変換した方がわかりやすい

この値を継続的に見ていくことで在庫数が良くなっているか、悪くなっているのかなどデータとして把握することができます

在庫回転期間は毎月定期的に確認するとことをオススメします

売上金ではなく売上原価でみるわけ

まずはじめに売上原価は以下のように求めます

期首在庫金額+仕入れ在庫金額- 期末在庫金額

売上で計算してしまうと粗利の分も上乗せされてしまうため、在庫回転率が高い数値になります

そのため売上金額の部分に入れる数値はでは販売金額ではなく、売上原価でみた方が正確な値がでる

在庫回転期間の計算例

例1

年間売上原価10,000万円、棚卸在庫金額1000万円の店舗

この時の在庫回転期間(年)は1000万円÷10,000万円=0.1年

0.1年で在庫が捌けている計算になる

月数単位の場合0.1✕12ヶ月=1.2ヶ月

日数単位の場合0.1✕365日=36.5日

例2

年間売上原価3,000万円、棚卸在庫金額150万円の店舗

在庫回転期間は150万円÷3,000万円=0.05年で在庫が捌ける

月数単位の場合0.05✕12ヶ月=0.6ヶ月

日数単位の場合0.05✕365日=18.25日

在庫回転率とは

もう一つの適正在庫の考え方として、在庫回転率という考え方があります

在庫回転率とは、一定の期間内で在庫がどれくらいの早さで消化できたのかを見る指標です

在庫回転期間の逆数が在庫回転率となります

在庫回転率が高いと在庫が商品として消化できており、在庫回転率が低いと在庫として長いこと眠っているということを意味しています。

一般的には在庫回転期間よりも在庫回転率で適正在庫を判断されることが多いです

在庫回転率の公式

公式

在庫回転率(回)

=売上金額(売上原価)÷平均在庫金額

平均在庫金額の求め方は次の通り

平均在庫金額=(期首在庫金額+期末在庫金額)÷2

在庫回転率は一定期間内に在庫が捌けたのが何回あった(回転している)のかをみています

金額ベースで計算していますが数量ベースでの算出も可能です

その場合は売上金額ではなく、売上個数へ変換すればよい

在庫回転率の計算例

例1

昨年度の売上原価が14,000万円、期首在庫高1,200万円、期末在庫高が950万円の場合

在庫回転率=14,000万円(年間売上原価)÷ (1200万+950万÷2) [平均在庫]=13

在庫回転率は13回となります

1年間で在庫が13回入れ替わっています

1年間は365日のため365日÷13で計算すると28日で1回転している計算になりますね。

昨年度は常に28日分の在庫を保有していた計算になります

例2

商品Aの月間の販売情報

仕入れ値100円、販売価格200円、仕入れ数10個、販売数5個、期首在庫0個、期末在庫5個

売上原価=0円(期首在庫金額)+100円✕10個(仕入れ)−100円✕5個(期末在庫)=500円

平均在庫金額=(0円+500円)÷2=250円

在庫回転率=500円÷250円=2回転

在庫が1ヶ月で2回転したことなる

在庫回転率が分かると何が良い?

お店側の立場で考えてみると、どんどん売れて、たくさん仕入れて、また売る

このサイクルのスピードが早ければ早いほど効率が良いですよね

実際に在庫回転率が高いほど、入庫から実際の出庫(販売)までの期間が短く、在庫管理が効率的におこなわれていることを示しています

商品ごとに回転率を計算することで、どの商品が売上を生み、どの商品が利益を生まないのか数値上でも把握することが出来ます

つまりは

  • 回転率が良い = 仕入れと売上のバランスが良い状態→効率よくお店の在庫が回っている
  • 回転率が悪い = 不要な在庫を多く抱えている状態(売れてない商品が多い)→在庫への出資が多い

と見ることができます

不要在庫が多いとどうなる?

不要在庫が多くなると値引き販売や期限切れによる廃棄などを検討する機会が増えていきます

もし販売用の商品を購入したものの、在庫として何ヶ月も販売できず滞留してしまうと、その間は在庫にかかった費用は売上にならない

徐々に現金がなくなっていきます

最悪の場合は資金繰りが上手くできなくなり、売れている商品の手配すら出来なくなってしまいます

また不要在庫は場所を取るためその点でも対策は必要

過去記事も紹介!なぜ在庫は増えるのか?
【在庫管理】なぜ在庫が増えるのか
みなさまこんにちは!薬局薬剤師のゆずまるです。今回は在庫管理について記載します。調剤薬局、ドラッグストア、病院などでも在庫管理は必須項目だと思います。少なすぎても過剰すぎてもダメ。今回は在庫管理について書いていきたいと思います。いくつか考え...

在庫回転率を上げるには

在庫回転率を上げるには、まず在庫を分析する必要があります

在庫は大きく運転在庫と不要在庫の2つに分けられます

  • 運転在庫
    売上・利益に貢献している在庫
  • 不要在庫
    売上・利益に貢献していない在庫

在庫回転率を上げるためには不要在庫を減らしていくことが重要になります

不要在庫を不動期間で分類してみることも大切ですね

例えば3ヶ月、6ヶ月いった単位を決めて区分していきそれぞれ対策を講じると良い


例えば、お店などではこのような対策をおこないます

不動期間3ヶ月以上

  • 可能な限り返品処理をする
    販売促進強化をはかるための対策を練る
    例:売場展開強化、価格を下げる、チラシ配布、ネット販売などを検討する

不動期間6ヶ月以上

  • 3ヶ月までの対策を引き続き実施
  • 不要な在庫を捌けるため、○%OFFな見切り品コーナー作成
  • 販売実績のある店舗へ店舗間移動
  • 廃棄

調剤扱う医薬品は値引きすることが出来ない

また、3ヶ月処方などはざらにあるためあっという間に返品期間を過ぎてしまい泣きを見るケースはよくあります

他店へ移動させるのも1つの手だが特殊な医薬品は移動できないものもある

決算前の棚卸月のように厳密に計算する必要まではありませんが、毎月確認した方が良い

まとめ

在庫回転期間と在庫回転率を把握することで感覚に頼らない在庫管理ができるようになります

品目ごと、過去のデータの推移、同業他社と比較するなど毎月確認することで一歩進んだ在庫管理ができるようになります

是非この概念、覚えてくださいね

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