高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれ、自覚症状がないまま進行し、心臓病や脳卒中などの重大な疾患を引き起こす可能性があります。
そのため、日常的に血圧を測定し、自分の血圧を把握することが重要です。しかし、血圧を測るタイミングや方法については、正しく理解していない人も多いかもしれません。
この記事では、血圧を測る最適なタイミングと正しい測定方法について詳しく説明します。
血圧を測る最適なタイミング
血圧は一日の中で変動します。適切なタイミングで測定することで、正確な血圧を把握することができます。
朝の測定
血圧の測定は、朝が最も理想的です。起床後1時間以内に、朝食やコーヒーを飲む前に測定するのが望ましいです。これは、夜間の休息中に血圧が安定しているため、比較的安定した値を得ることができるからです。
夜の測定
夜の血圧も測定すると、一日の中での変動を把握できます。夕食後1〜2時間経ってから、リラックスした状態で測定するのが良いでしょう。
朝晩1日2回ずつ測って、その平均を見ましょう。
正しい血圧の測り方
血圧を正確に測定するためには、以下のポイントに注意しましょう。
1. リラックスした状態で測定
血圧を測る前に、5分以上安静にし、リラックスした状態で測定します。緊張やストレスがあると、血圧が高く測定されることがあります。
2. 背もたれに座り、足を床に置く
測定時は、背もたれのある椅子に座り、足を組まずに床に平行に置きます。腕は心臓の高さに保ち、机や肘掛けに置いて安定させます。
3. カフの位置と締め具合
カフ(血圧計の腕に巻く部分)は、上腕に正しく巻き付けます。カフは肌に直接巻き、指一本が入る程度の締め具合に調整します。
4. 繰り返し測定
1回の測定だけではなく、1〜2分間隔をおいて、2〜3回測定し、その平均値を記録します。これにより、より正確な血圧値を得ることができます。
姿勢によって血圧の数値は変動します。毎回同じ姿勢で血圧測定にのぞみましょう。
家庭用血圧計の選び方
家庭用血圧計は、使いやすさや精度が重要です。以下のポイントを参考に、最適な血圧計を選びましょう。
1. 上腕式血圧計を選ぶ
上腕式血圧計は、手首式よりも精度が高いとされています。上腕にカフを巻くタイプの血圧計を選びましょう。
2. 操作が簡単なものを選ぶ
操作が簡単で、誰でも使いやすいものが良いです。特に高齢者や機械に不慣れな人にも使いやすいデザインのものを選びましょう。
3. メモリー機能付き
測定結果を記録するメモリー機能があると便利です。日々の測定結果を記録し、医師に報告する際にも役立ちます。
医師への報告
血圧を家庭で測定した結果を、定期的に医師に報告することも重要です。医師はそのデータをもとに、適切な治療方針を決定します。記録は紙に書くか、スマートフォンのアプリを利用して管理するのも良い方法です。
血圧手帳に記入しましょう。家庭内の数値が大切!日々のデータは治療に大いに役立ちます。
まとめ
血圧を正しく測定することは、高血圧の予防と管理において非常に重要です。朝と夜にリラックスした状態で測定し、正しい方法で行うことで、正確な血圧値を得ることができます。また、家庭用血圧計を選ぶ際は、上腕式で操作が簡単なものを選びましょう。定期的に医師に報告することも忘れずに行いましょう。
自分の健康を守るために、日々の血圧測定を習慣化し、適切な管理を心がけましょう。
参考文献
以下の参考文献をご覧いただくことで、さらに詳しい情報を得ることができます。
1. American Heart Association (AHA)
血圧の正確な測定方法や家庭用血圧計の選び方についてのガイドラインを提供しています。AHAの公式サイトでは、血圧測定の準備や手順、注意点について詳しく説明されています。
詳細はこちらをご覧ください。
2. 日本高血圧学会
日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2019」は、血圧測定の方法や治療方針について詳細に解説しています。特に家庭血圧測定の重要性や正しい測定方法についてのパンフレットも提供されています。
詳細はこちらをご覧ください
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